「で?」


「え?」


突然理樹から出た切り返しに
意表を突かれる


「ルリが?」


そうだ・・・私
ルリさんが理樹と親しげで
名前呼びしてることに落ち込んで・・・


「クッ」


「な?なに?」


拳を口元に当ててククと笑う理樹


「なぁ、琴・・・
それって何て言うか知ってるか?」


不敵に笑った


「え?」


何て言う・・・?
落ち込み?ガッカリ?
頭の中を巡る言葉はそれ位で


「それと・・・」


「まだあるのか?」


「部屋」


「部屋?ここの琴の部屋か?」


「そう、いつも一緒だったのに

部屋まで作って

理樹の方こそ私のことが

迷惑なんじゃない?」


言い切ったところで
切なくなってきた

勢いに任せたけれど“迷惑”と返されたら
立ち直れないかもしれない

厳重に蓋をするはずの想いが
不安を煽る


「迷惑だから部屋を作ったと思ったのか?」


「・・・うん」


「だから離れて座ったと?」


少し低くなった理樹の声に
自分のしたことが間違いなんじゃないかと不安になる


「え?・・・あ、うん」


「お仕置きだな」


「へ?」


顎に手を当てて口角を上げた理樹は


「琴のこの態度は・・・

ルリのことでヤキモチを妬いた上に

離れたくないって

駄々をこねた所為だよな?」


・・・は?・・・なんですと?


・・・ヤキモチ?


・・・駄々をこねる?


・・・まさか・・・そんな


・・・・・・いや




合ってる


えーーーーーーーーーーっっ



みるみるうちに熱が顔に集まって
酸欠の魚のように苦しくなる

それを見ている理樹の顔は
すごく嬉しそう






もうやだ・・・・・・