『あ〜それ、妹』






そう言った亜樹の言葉が蘇る





そもそも私・・・





母が再婚して・・・

兄が二人できて・・・

それで?



『急に兄が2人も出来たから
手近で済ませる作戦じゃない?』

『無理に2人のどちらかにしなくても
他にも山ほど男は見つかるわよ?』



優羽の言葉も蘇る


兄妹になっただけ・・・

たったそれだけ・・・



・・・・・・だから




拘っているのは私だけなのかもしれない

家族になったから

兄妹になったから

だから・・・

相手のことを強く想う



・・・・・・ただ、それだけのこと



頭の中で強く念じる


[家族]への想い


今まで母娘だけだった世界に
異性が絡んできただけのこと・・・

この胸の痛みは


妹に優しくする兄が
本当は他人にも優しいだけのこと

それに

あんなに素敵な兄を
女性が好きにならないはずがない


だって・・・


たった二ヶ月で


こんなにも



・・・・・・なんだもん



「・・・っ」


ハッとした

今、何を考えた?

痛む胸の想いに理由をつけて・・・


そして・・・・・・



・・・・・・・・・辿り着いた





あぁ、なんて私は馬鹿なんだろう



自分の想いって・・・

頭で考えるよりずっと簡単




心はもっと正直で


こんなにも単純


そして・・・なにより狡い




だって





ルリさんと話す理樹の声が嫌



理樹に触れるルリさんが嫌



“理樹”と呼ばせるのが嫌



私の側に居ない理樹が嫌




この胸の痛みは・・・







理樹への想い





あぁ、

どうしようもなく


理樹のことが好き








気持ちの意味が胸にストンと落ちてきた