神様・・・
今、召されるとしたらやっぱ
死因は不整脈ですよね?


胸を押さえたまま
心臓の心配をしていた私を

放っておくはずない理樹は


「大丈夫か?黒蜜付いてた」


そう言うとそのまま私をギュッと抱きしめた


「ヒャ」


瞼を閉じていた所為で
不意打ちになるそれに

ドキドキして吐きそうになる

・・・いや勿体ない


さっきまでの豪華な和食を思い出して
頭を左右に振ると


「大丈夫じゃなさそうだな」


クスッと笑った理樹


・・・間違いなく理樹の所為だよ?


そうも言えない私は
ひたすら気分を落ち着かせるために

熱を吐き出すみたいにゆっくりと呼吸をした


そんな挙動不審な私は
もちろん


「大丈夫だ、琴」


気がつけば理樹の膝の上に横抱きにされるという辱めを受け

宥めるように隙間なく抱かれた


「熱か?」


微笑む綺麗な顔が近づき



「・・・っ」



オデコがコツンとぶつかった


近ーーーーーーーーーーぃ!!


イヤイヤイヤ・・・

驚き過ぎて瞬きを忘れ


さっきまで煩かった鼓動が全く聞こえない


え?、もしかして
私・・・死ぬの?


熱い顔、煩い心臓

それだけで本当のパニックに陥った私は

死にたくないと言おうとして



「・・・まだ15歳です」


何故か口から出た言葉がこれ



「・・・ブッ」



「・・・クッ」



盛大に笑われることになった





あぁ、私・・・

今漸く理解出来ました




[穴があったら入りたい]




の意味