「ゲッ」

そう“ゲッ”の表現が当てはまる!
キラキラベルト君から
勘違い君改め

阿呆の金◯君が

舌に乗るピアスを見せながら
ニッコリと笑っている

・・・気持ち悪い

・・・臭い

・・・鬱陶しい

新しい三段活用も見事に決まった瞬間


「その子から手を離せ」


お腹に響くような重低音が降ってきた


「あ゛?ヒェ、や、あっ、あのっ」


最早喉から声が漏れているかと
心配するレベルの阿呆の金◯君が

ピョンと後方に飛んだかと思うと


「すみませんでしたーーーぁー」


叫びながら消えて行った





あいつは


なんだったんだ?


10歳は老け込んだかと思うほどの疲れを生んだ7分少々


「あー怖かった」


無意識のうちに口から出た言葉と共に
忘れようと頭を左右に振る私

そして・・・

安心の余り忘れていた

重低音の主の靴が
視界に入った


「あっ」


ハッとして勢いよく顔を上げると
口元を手を覆った男性が目に入った

・・・えっと

ここは先ずお礼を言うべきよね?

スーッと鼻から息を吸い込むと


「ありがとうございました」


ぺこりとついでに頭も下げてみた


「あ、ブッ、いや、ハハ、あの、どういたしまし・・・ブッ」


・・・おいおい

その口元を隠した手は明らかに笑ってるのを隠す為

肩も小刻みに揺れてるし

恩人にしては反応悪くない?