充電器を繋いで数分後マナーモードにしたままの携帯が震え始めた



メッセージアプリの通知アイコンのカウントが一瞬で3桁になり電話にも不在通知が増える



「見てみなよ」



携帯の振動が止まると優羽が3桁を開けと急かした



「・・・っ」



3桁の殆どが亜樹あとは母と優羽が少しだった


亜樹の名前をタップすると



[琴、大丈夫か?]
[身体の具合どうだ?]
[俺の所為ですまない]
[琴、眠れてるか?]
・・・
・・・


[琴]
[琴に会いたい]


未読をスライドしながら読むだけで
亜樹の切ない顔が想像できて胸が苦しい


と・・・



「え?」



手の中の携帯が震え始めた



「既読つけたからだね」



亜樹からの着信を伝える振動に優羽が薄く笑った


スーッと息を吸い込むと躊躇うことなく通話をスライドした


(もしもしっ、琴か?)

「・・・うん」

(大丈夫か?)

「うん」

(琴・・・すまなかった)

「・・・うん」

(ほんと、ごめん)

「・・・うん」

(全部、俺の所為だ)

「・・・」

(琴?顔見て謝りたい)

「・・・」

(側で護らせて欲しい)

「・・・」

(琴に・・・会いたい)


絞り出すような亜樹の震える声に更に胸が締め付けられるようで

心配そうに見つめる優羽の顔が急速に溜まる涙で揺れる


・・・亜樹


(琴・・・)

「・・・い、」

(琴・・・)

「痛、かった・・・っ」

(うん)

「ふ、れ、られてっ
気持ち、わる、かった・・・」

(うん)

「怖、かった」

(すまない、琴)

「・・・亜樹」

(ん?)



堪え切れない感情が涙に変わった