「なら、何も問題ないじゃん。杏奈は神藤さんのこと、ほんとに好きじゃないの?」
「だからぁ、何度も言うように、私と神藤さんは所詮は偽装結婚だし、立場も違うから」
「そんなの表面的な問題だよ。てかさ、好きにならない理由を探してる時点で、それもう好きになってるってことだと思うけど」
鋭すぎる梨乃の言葉に、まるで自分の心の内があぶり出されているみたいで、私は何も言えなくなる。
「前は私も冗談半分に流したけど、本当のところはどうなの? もういいじゃん。私にだけは、正直に言いなよ」
正直に。
さすがは長い付き合いだ。
梨乃にだけは誤魔化せない。
「私、神藤さんのことが好き」
初めてそれを口にしたら、顔から火が出そうだった。
言葉にした途端、真っ赤になる私を見て、「あんたは中学生か!」と、梨乃は突っ込む。
私は、ますます恥ずかしくなった。
「だって、自分でも、まさかこんな気持ちになるとは思わなかったんだもん。だから必死で考えないようにしてたのに」
「でも、よくそれでずっと一緒に暮らしてられるよね。私には無理だわ」
「だから、考えないようにしてたんだってば」
「だからぁ、何度も言うように、私と神藤さんは所詮は偽装結婚だし、立場も違うから」
「そんなの表面的な問題だよ。てかさ、好きにならない理由を探してる時点で、それもう好きになってるってことだと思うけど」
鋭すぎる梨乃の言葉に、まるで自分の心の内があぶり出されているみたいで、私は何も言えなくなる。
「前は私も冗談半分に流したけど、本当のところはどうなの? もういいじゃん。私にだけは、正直に言いなよ」
正直に。
さすがは長い付き合いだ。
梨乃にだけは誤魔化せない。
「私、神藤さんのことが好き」
初めてそれを口にしたら、顔から火が出そうだった。
言葉にした途端、真っ赤になる私を見て、「あんたは中学生か!」と、梨乃は突っ込む。
私は、ますます恥ずかしくなった。
「だって、自分でも、まさかこんな気持ちになるとは思わなかったんだもん。だから必死で考えないようにしてたのに」
「でも、よくそれでずっと一緒に暮らしてられるよね。私には無理だわ」
「だから、考えないようにしてたんだってば」


