「しかし・・・。」


 家臣はここで言葉をにごらした。


 当たり前だ。


 いないものをつれてこないなどと、当然無理な話。


「まったく・・・おかしな噂に流され追って・・・上が下々の噂に流されて、動揺しては、民が怯えるだけだ。堂々としていろ!」


 それが、スサノオウの判断。


「ハッ!失礼しました。」


 だから、家臣もそれに従う。


 彼は知らない。


 オロチが、この国に来たことを・・・。


 父が、母が、師が、自分に会いに来たことを・・・・・。