「大丈夫なの?」
「うん。」
「本当に?」
「大丈夫だって。安心していってらっしゃい!」
佳子と龍仁は空港で桃に別れを告げているところだった。
佳子が桃を抱きしめる。

桃は司と別れを選び一人で歩こうと頑張っているところだった。むしろ頑張りすぎていることが佳子の気がかりだった。その証拠に抱きしめた桃はまた一段と痩せている。

そんな華奢な桃を抱きしめながら佳子が泣きそうになりながら「こんな時にごめんね。そばにいてあげられなくて」と告げると「泣かないでよー。結婚式楽しみにしてる。」
と桃はぎこちなく微笑んだ。

佳子を抱きしめ返しながらその後ろで微笑む龍仁に桃は
「倉本さん。佳子をよろしくお願いします。」
と頭を下げた。
「はい」
と龍仁は優しく微笑みながらうなずいた。