こうして二人は新たな一歩を踏み出した。

翌日からさっそく佳子は引っ越しの準備や入籍の準備、結婚式の手配を始めた。

ありがたいことに仕事を辞めた寂しさを忘れるくらい忙しかった。

龍仁もなるべく早く帰宅してくれたり、週末はドレスや結婚指輪を二人で選びに出かけた。北海道で借りる予定の一軒家に置く家具も見に行ったり、入籍に必要な書類をそろえた。


婚姻届けに必要事項を記入するとき佳子は生まれて初めて文字を書くときに手が震えた。
そんな佳子を待つように龍仁は背中をさすってくれた。

そして二人が付き合って二年目の記念日に入籍を済ませた。