「佳子」
「ん？」
「最終プレゼンの結果が届いたんだ。」
「えっ？」
佳子は最後のプレゼン結果を待たないまま会社を退職した。それは同じチームの仲間を信頼できていたからこその決断だった。

それでも結果がずっと気になっていた。

「どうだった？」
佳子が振り向き龍仁の方を見る。
「おめでとう。最後の企画が春には形になることが決まった。」
佳子は顔をくしゃくしゃにして涙した。
「おめでとう。頑張ったな。」
龍仁の言葉に首を縦に振る。
「ありがとう。最高の思い出を。」
「私こそ。ありがとう。」