そう言われてみれば私の手は先生の両手で
包み込まれていた。


「男の人を…見ちゃって」


久しぶりに見た。


あの時からしばらくは毎日のように
悪夢にうなされていた。


「そっかそっか…。怖かったね。
ここは誰も居ないから大丈夫」


だけど、悪夢の終わりは必ず
カッコよくて優しい男の人が助けてくれる。


今日、気づいた。


それは瀬川先生だって事。


「…んせ、は」


「ん?」


「先生はヒーローだね…」


って、私…何言ってるんだろ