「やめてよ…陽奈ちゃん。
何に謝ってるの?」


「それ…私のせいですよね…」


「え?なにが?」


「手のひら…」


そう。先生の手のひら。
あの時、私が切って作ってしまった傷。
綺麗な手に跡が、残ってしまっている。


「なんでよ…これは俺が掴んだからでしょ?」


「メールも、電話も…」


「今日、ここに来てるのも…私のせい」


「ごめんなさい…」


「謝らないで、陽奈ちゃん」