白衣の先生に恋しました。

ゆっくりとカッターから手を離し
少しだけ腕を前に出した。


「ありがとう。
痛くならないように頑張るから。
包帯とか、取っていくよ」


赤く染まった包帯が取られ、
ティッシュも取られる。


もうティッシュなんて、元の白さは
1ミリもない。


今日、新しく出来た傷と私がこれまでに
切って出来た傷。


それに1番大きくて酷い、あの人達に
切りつけられた傷。


私の手が先生の瞳に映る。


「っ…」


やっぱりやだ。


腕を引こうとしたけど、先生はそっと
強く掴んで離してくれなかった。