「ごめんね、さっきは」


「え?あぁ…俺も悪かった。ごめん」


「ううん…
あのね、孝に頼みがあるの…」


陽奈が俺の手をグッと引っ張って耳元で
囁く。


「何だよ」


は?嘘だろ…?


"孝、先生と一緒に帰ってくれないかな"


なんて、言うなよ。


孝、ごめんね


そんな言葉聞きたくなかった。


よりによって、何で俺に言うんだよ。
何で…そんな震えた声で、涙で潤んだ目で
言うんだよ。


「孝…お願いっ…」