俺はもうこの時からここに泊まろう、
そう思っていたんだけど…


陽奈ちゃんは、ご両親を見送ると俺に
無理矢理作った笑顔で
帰っていいですよ、なんて言って。


そんな顔で見られたら余計に帰られないよ。


しかも、利き手の腕を痛めたんだから
何も出来ないはずだし、
もしフラッシュバックがもう一度起きたら…


そんなこんなで、ずっと黙っていると
急にコップを持ったと思えば、落として。


陽奈ちゃん的には、コップを持てるから
1人で大丈夫。そう見せつけたかったんだろう。