「ママ~、ただいま!
 宿屋2人分の部屋予約お願いね!」

「あら~、可愛いお嬢さんもいらっしゃい。
 アレックさんも昨日はどうもすみませんね。
 でも、おめでとう!
 初めてでまさかあのドスランポスを倒しちゃうなんて、あなたってすごいのね♪」

 それもこれも全て母さんの指導と、父さんの大剣、そして一番お世話になったのが、隣で眉を吊り上げてこちらを睨みつめているルチナのおかげだ。



 自分を支えてくれている仲間がいたからこそ成し遂げられた試練でもあった。

「そうだ、疲れたでしょうから温泉に入ったらどうかしら?
 この宿屋の後ろで経営しているの。
 もしよかったらどぉ?
 きっとサッパリするわよ!」



 アレックは昔母さんに連れられて入りに行ったことがある。

 岩盤の水槽みたいなものに熱いお湯を敷き詰めて、その中に入って疲れを取るものだった。



「温泉かぁ、久しぶりだな」

「僕も入る!
 温泉~、温せ~ん!!」

(レインはどうしてこうもテンションが高いのだろうか?)