ルチナも遠くを見つめたまま言う。

「ルチナは記憶、戻ったんだよね」

「……うん」

「俺も、戻るかな……?」

「何言ってるのよ。当たり前でしょ?!」

「うん。そうだな」



 2人の髪は風に揺られ、しばらくその場に立っていると、アレックが切り出す。



「そろそろ、行こっか?」

「うん。そうね……」







 知らずとも、運命の歯車は回っている。

 しかし、新たな歯車を回すにはそれに合った歯車が必要だ。

 それを見つけるのはその歯車の持ち主のみ。



 それを見つけるために、2人は新たな旅へと旅立つのだった。







    ~END~