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朝の日差しが街全体を照らし出し、やわやかな風が建物の間を通って全体に澄み渡る。
こんな爽やかな朝を迎え、昨夜の大いに騒いだあの広場は、うそのように静まり返っていた。
そして、酒場にはいつものようにテーブルにつっぷするハンターが何人か、いびきをかいて眠っている。
カウンターには受付嬢が眠らずに資料の整理をしていて、交代の時間になると奥の部屋からセレナがアクビをしながら歩いてくる。
「おはよ~。さぁ~て、今日から忙しくなるわよ!」
「あ、セレナさん。手紙預かってますよ」
そして一通の書き置きだと思われる折り畳まれた紙を受け取ってさっそく読んでみる。
「セレナさん。今までありがとうございました。こんな形でお別れすることをどうかお許しください……」


