「あっ! ……ここは?」

 ルチナは何かに反応したようにビクッと飛び上がって起きた。

「ルチナ……」

「アレック!! ……う、うぅ、う」

 アレックのことを見たとたん、ルチナは目一杯に涙を浮かべて飛び付いてきた。

「うわぁあああああん!! ア、レックの、バカあ!!」

「ルチナ…… 本当に、ゴメン」

 アレックはそっと、ルチナの背中に手を回して優しく抱きしめてあげる。

「……」

 アンとノアはお互い顔を見合わせて、フッと笑みをこぼす。

「俺、ルチナの気持ち、分かってなかった…… だから、ゴメン」

「う、うん。それは、あたしも、同じ。あたしもアレックのこと……」

(アレックのこと……?)

「バカっ!、違っ……!」

 ルチナはアレックを両手で突飛ばし、顔を真っ赤に染めて下を向いた。

「いきなり、何なんだよ……」