モンスターハンタールチフェル

「ギャアアアアア――!!!」



「なかなかやるようだな。だが黒龍の力はこれからが今までとは違うところだ」



 黒龍は立ち上がると、一声空に向かって吼えた。

 口からは荒い息を吐くのが見え、怒っているのが伺える。

 すると、さっきまでの黒龍から発せられていた殺気が数倍にはね上がった。

 まるで、黒龍の周りに邪気のオーラがまとっているようで、雰囲気からして一歩も近づけない。

「はあはあはあはあ……」

 アンは肩で息をしながら、急いでその場を離れるが、黒龍の反応が早く、今にも火球を放とうとしているところだった。

「あっ……!!」

 バゴォォォォォン!!!

「きゃあああああ――!!!」

 直撃はまぬがれたものの、爆風によって遠くに飛ばされてしまった。

 冷たい地面をゴロゴロと転がり、どうにか残っていた力で立ち上がる。