だけど、



「頭、上げろよ」



 隣の机の椅子に腰かけていた30歳くらいの男のハンターだった。

「そうよ。あなたが悪いんじゃないわ。だから、顔を上げてちょうだい」

 さっきの男の横にいた、同じく30歳くらいの女性ハンターが優しく声をかける。



「……」



 ルチナの顔は少し驚いたような目をして、右腕で涙をぬぐう。

「うん……」

 アレックは立ち上がって、ルチナの左肩の上に優しく手をそえる。

「大丈夫。ルチナは何も悪くない」

「アレック……」

「ルチナ。みんなの言う通りだよ。悪いのはあいつらなんだから。ルチナが謝ることなんてないよ」

「そうよルチナン! 何がなんでもあいつらを取っ捕まえて、みんなの前で土下座させてやるんだから!」

 ティナは拳をパンッと手のひらに打ち付ける。