アレックは空を見上げる。



 暗い……



 さっきまでは雲はあったものの、ここまで真っ暗ではなかった。

「あそこと、同じ……」

「うん。間違いない、奴らが近くにいる」

 2人はルチナが連れていかれたあの場所を思い出しながら、今ここに広がる空を見ていた。

「アレック~! ルチナ~!」

 砦の方に目をやると、そこにはこちらに向かって走って来るレインの姿があった。

「はあ、はあ…… さすがアレックとルチナだよ! 2人が帰って来なかったらどうなってたことやら……」

「何言ってんのよ。みんながいてくれたおかげじゃない」

「そうだよ。みんながあそこまで弱らせてくれたおかげで、最後にトドメをさせたんだ」



 仲間がいてくれたからこそ、乗り越えることができた難壁と言えよう。