シックルは、ようやく砦の上に到達した。

(さてと、スイッチはこれか)

 砦の屋上の真ん中に、直径1メートルの円形の装置が設置されていた。

 その横に大きな木槌が置かれており、シックルはそれを両手で持ち上げ、肩に構える。

「さあ、いつでもおいでなさい!」

 老山龍はもはや目前だ。

 下の方ではアレックたちの刃を交わす音が響いて、頑張っているのがうかがえる。



(5………4………)



 シックルは心の中でカウントダウンを開始する。



(……3………2……)



 老山龍の足が止まる。

 巨大な顔から覗く2つの目がシックルを睨む。

「……1……!!」

 木槌を握る手が、より一層強くなる。

 そして、



「はぁあああ!!!」

 ガッ!!

 スイッチの円形部分が沈み込み、足下でなにやら作動した振動をシックルは感じた。