モンスターハンタールチフェル

 ズシ――ン

 ズシ――ン



 足音が辺りに響くに連れて、巨影が霧の中から形を現していく。

 ついに頭部全体が出現する。

「じょ、冗談だろ?!!」

 ハンターたちがざわつき始める。



 天を刺すように伸びた角を鼻先に生やし、民家をまるごと飲み込んでしまいそいな大きな顎に、荒々しさを強調する龍独特の棘や角……

 どれ程の大きさなのか、どれ程の年月を経てここまで育つのかは全くの未知数だが、唯一分かっていることはこのモンスターは山のようにバカデカイ奴だということだ。

 霧から抜け出したその動く山のモンスターの体は、まさしく山そのもののように刺々しい甲殻に覆われている。

 その背中を覆う甲殻、『背甲』の一番高い位置で、この砦の10メートルもある巨大な門を軽々越していた。

 高さ推定20メートルといったところだろうか。