岩石の仮面をかぶったような頭部がアンとノアの方に向き、2つの丸い目玉が2人を睨み付けた。

「グゥオオオ―――」

 グラビモスは上体を大きく仰け反って、口から周囲の熱気ごと息を吸い込んだ。

 とその時

「あ、ああっ!」

 なんと、アンが石につまずいて転んでしまった。

「アン!!」

 グラビモスの口には吸い込んだ空気が体内で業火に変わり、今にも口から溢れんばかりに漏れ出していた。

「危ない! 避けろアン、ノア!!」

 アレックが叫ぶ。

 しかし、次の瞬間、グラビモスの口から激流の如く、熱線が放たれたのだ。

 そして、2人ともその熱線に包みこまれてしまった。

「……!!!」

 アレックとルチナはあまりもの驚愕の光景に声も出せなかった。



 ウソだろ?!

 まさかアンとノアが……