「何よあれ!! こんなの聞いてないわよ~!!」



 熱気が取り巻く薄暗くも赤く照らされた巨大な空洞の中で、4人は今巨大な生物に追われていたのだ。



「グガァアアア!!!」

 ズシンズシンと大きな地響きを立てながら、体表が全て岩で出来ているモンスター、グラビモスが猛烈な勢いで4人を追いかけ回していた。

「アレック、前行き止まりっ!!」

「横に散らばれ!!」

 アレックたちはふたてに分かれて右と左に走って逃げた。

 そこへ、グラビモスが勢い余って壁に激突してしまった。

「グォオオオッ!!!」

 ゴツゴツした巨体が壁にめり込み、少し岩崩れが起きた。

 大丈夫か?!

 まさかこの大空洞ごと崩れたりしないだろうな?!

「グガァアアア!!!」

「くそっ! アン、走るぞ!!」