「あらぁ、3人ともどうしたの?」

 カウンターの受付嬢、セレナが、急ぎ足でやってきたアレックたちを見て少し驚いた様子で言った。



「セレナさん、頼みたいことが……」

 アンがセレナに手招きをして、顔をお互い引っ付くくらい近づけて、何やらコソコソ話していた。



「とうとう始まるのね。最後の戦いが……」

 セレナは声を落として、3人だけに聞こえる声で語りかける。

「早いものね、あんたたちがここに来てから数日しか経ってないのに、成長したわね」

「セレナさん……」



「……分かったわ。ギルドナイトとして、あなたたちの安全を第一に考えなくちゃならないんだけど、ここは1つ、あなたたちに賭けてみるわ」

 セレナはため息を吐いて、肩をすくめながら言う。

「ありがとう、セレナさん!」