モンスターハンタールチフェル

 ここまで来ても尚、恐怖が全身を震えたたせ、忘れていたはずの不安感が雪崩のように襲いかかる。

「…………」

 俺は、あいつを助けたいだけなのに……



「……ちょっと、頭冷やしてくる」

 それだけ言い残すと、アレックはシックルの手を振りほどき、退いてくれたノアに感謝しながらアンの部屋を出ていった。



「……アニキ、ちょっと言い過ぎたんじゃな~いの?」

 ティナが横目でニヤニヤしながらライナスを見る。

「そ、そうか……?」



 アレックが抜けて、7人となった部屋は静まりかえってしまった。



「……アレック」



 ・ ・ ・



 あの後真っ直ぐ酒場を出たアレックは、いつもの場所へと向かっていた。



 というか、ここが一番落ち着くからだ。



「クソッ! 俺には力が無い、かよ……」