「……ック お…ろ」



(……何だ?)



「…い、ア…ック!」



(俺の名前、呼んでる?)



「アレック、起きろ!!」



「うぅ~、おはよう……」

 体があちこち痛む。

 寝違えたのだろうか?



「……あれ、ここは?」

 重く感じる瞼を頑張って持ち上げ、外の光を取り入れてみる。

 なぜか、遠くに眩しく輝く物体が浮いている。



 それをじっと見ていることができなく、一度目をつぶってもう一度外の世界を見ると、



「あ!」

 輝く物体が何か分かっただけでなく、今自分がいる場所、呆れた顔で覗き込む誰かなども明確になった。

「何でこんなとこで寝てんだ?」



 一本の木の下、斜め60度方向に太陽が輝いて見えるこの公園で、すぐ脇にシックルのポカーンとした表情と、自分を囲むように人だかりが出来ている。