黒いローブを翻し、カインは奥へと消えていってしまった。

「悲劇のヒロインか…… そんじゃ、私も戻らせてもらうわ。あとよろしく頼むぞダルス」

 レナもカインの後を追うように、ルチナの視界から消えていった。



「って、おい! 俺がお守り役かよ」

 2人が歩いて行った廊下を睨みながら、ダルスはブツブツ愚痴っていた。



「誰が、お守り、よ……」

 ルチナは荒い息をはきながら、ダルスに向かって鋭い眼光を見せる。



 が、やはり現実を受け入れがたく、どうしても納得がいかなかった。



 どうしてなのよカイン……



 あたしはどうすればいいの?

 このまま世界が壊れていくのを見てるだけなんてイヤだよ。



 みんな、ごめんね。

 あたし、約束守れそうにないかも……



 もう一度みんなに会いたいよ……