豆電球1つの照らす灯りの中で、一同はカインの話に聞き入っていた。

「でもよう、カインはテスタメントのこと憎んでんだろ? 何でその敵に手を貸してんだ?」

 ダルスがイスに腰かけて、ボサボサの髪をかきむしりながらカインの方へと向き直る。

「さっきも言ったように、俺は自分の意思で行動している。もちろん、“復讐”という形でな」

 カインの目には冷たい執念の炎がちらついていた。

「言っておくが、俺にも故郷を、家族を失った悲しみ、苦しみ、憎しみはお前と同じ、もしくはそれ以上あるはずだ」

 それは、記憶が戻ったルチナにも言えることだ。

 今のルチナの頭は、テスタメントに対する憎しみに満ち溢れていた。



「だから……」



 だから?



「だから俺は、黒龍を復活させる。そして、テスタメントを一掃させてやる」