紅蓮の炎の球は真っ直ぐに黒い集団へと飛んでいき、直撃して固まっていたテスタメントの兵士がアチラコチラに吹き飛んでいった。

「ひゃあああ、た、退散!!」

 カインの近くで剣を構えてた奴も含めて、全員撤退を始めた。

 そしてソルレウスは空へと高く飛び上がると、町の方へと飛んでいき、まだ町に向かって火球を放つ飛竜の群れへと突っ込んでいった。



「ルチナ!!」

「パパぁ!!」

 ルチナとお父さんは走り寄ってお互い抱きしめあった。

 温かいぬくもりがルチナの体に溢れ帰る。



 それからも涙は止まることを知らずに、ずっと、ずっと流れていた。



 ・ ・ ・



「……銀色のリオレウスに町は守られたが、テスタメントに殺された人は数えきれないほどだった」