だがそこへまたしても、ソルレウスが2人だけに聞こえる声で問いかけて来たのだ。



(サア滅龍士ヨ、我ニ命令ヲ……)

「……ソルよ!!」



 その時だった。

 ソルレウスの左手の方向から声が聞こえてきた。

 その場にいた全員がそこへ目を向ける。

「ぱ、パパ!!?」

 そこに立っていたのは、全身ボロボロの鎧に、片手剣オデッセイを持っているルチナのお父さんだった。

「滅龍士を作りし神の使いに命ずる! この村を荒らす邪教徒たちを掃討せよ!!」

 それを聞いたソルレウスは、言葉を理解したように頷き、黒い集団に鋭い眼光を向けて、

「ッガァアアアアア!!!」

 空間ごと吹き飛びそうな轟音を発する咆哮が辺りに轟き渡ると、銀色の翼が大きく広げられて、上下にパックリと開いた口から赤く燃え盛る炎が放たれた。