「はぁ、はぁ、はぁ、……」



 ティナさんなら、きっと大丈夫だ!

 僕は信じる。

 だってあんなに強いんだし、負けるわけ無い!



 ……無い、と思う。

 うんうん、絶対にティナが勝つんだから!!



「もう大丈夫、1人で歩けるわ。ありがとう、レイン」

 2人が、2人3脚の状態で下りてきた坂道の先は、あのアプトノスの死骸が横たわっていた場所だった。

 しかし、その死骸は腐敗が終了して、今は何も無かったかのような綺麗な草地に戻っていた。

 レインはルチナを気遣うように、歩くスピードをあわせてやる。

 2人はそうしてキャンプへの上り坂に足をかけたときだった。

「久しぶりだな、滅龍士」

 突如、森の入り口の方から人の声が聞こえた。

「だ、誰よあんた、さっきの仲間!!?」