「ルチナ!! そんな、ルチナが……」

「くそっ! ルチナ!!」



「呼んだ?」

 2人は声がした方に振り替えると、なんとそこには押し潰されたはずのルチナが立っていた。

 しかも右手の武器が、先ほどのオデッセイとはまったく別のものを手にして……

「さぁ、これからよ!」

 ルチナの見開いた目はサファイアのように蒼く輝き、その鋭さには物凄い殺気が感じられた。

 何なのだろう、この体の底から沸き上がってくるような不思議な感じ。

(不思議…… なんか心がとても静かに感じられる)
 だが、それはどこか寂しいイメージが感じられた。

 ルチナの持つ剣が、憎しみ、苦しみ、悲しみのオーラを放っているように思えたのだった。

 その黒い刀身の先は二又に分かれ、ルチナのリオレウスに対する怒りに呼応しているかのように、鈍く輝いている。