ティナの武器、ヴォルカニック=ロックは打撃に加えて、噴き出す炎で相手にダメージを与えるもので、火竜であるリオソウルにはまったく効いていないのである。

 相手は飛竜の中の王者とも言われた奴だ。

 ギターなんかで殴られて死ぬくらい、やわな奴じゃないのは見てわかるだろう。

(どうすれば……!!)

 ルチナはふと思いついたようにハッと目を見開き、自分の右手を見つめた。

(そういえば昨日、突然右手が光出したと思ったら、リオソウルが後退りして逃げていったわね)

 もしかしたら、これが使えるのだろうか?

 この力が使えたなら、奴を、リオソウルを倒すことができるかもしれない。

(でも、どうしたら昨日みたいなことできるかな?)

 昨夜のことは唐突の出来事だったので、自分でもどうやったのか自覚できていなかったのだった。