モンスターハンタールチフェル

「皆さん、ケーキが出来ましたよ」

「オレ様の自信作だ! 食べるのがもったいないくらい、上出来だぞ?」

 そして、手作り誕生日ケーキを運んできた2人、ヴェイグとエミリアは、ティナたちのご両親でなおかつ、エヴォネール劇団を総括する団長とその妻である。

「ほらよっ!」

 ヴェイグはユックリと、丸テーブルの上にケーキを置くと、品定めのようにティナたちがそれを眺める。

「どうだ、オレにしては上出来だろ?」

「…」

「何て言いますか」

「ケー、キ、なんだよな?」

「本人がそう言ってるみたいだし…」

「二層に分かれてる…」

 その“ケーキ”と呼ばれる、上と下で二層にキッチリと分かれた食べ物?的な物は、クリームがあちこちに飛び散って、わけが分からなくなっていた。