モンスターハンタールチフェル

「大丈夫、ですか?」

「なぁに、このくらいG級のリオレイアの火球に比べたら、まだまだ生ぬるいもんさ!」

 何なのだろう、プリルを見ているとどこかの誰かさんに見習わせたいくらい、たくましくカッコいい人だ。

「そんな心配な目で見るなよ! あたいの防具は断熱性に優れてるから、たいしてダメージは大きくないんだよ」

 しかし防具の方は、一部欠けていたり、真っ黒に焦げている部分があって、そっちのダメージは激しかった。

「しょうがないね、また新しいのを作って貰うかな」

 物惜しそうに、ガレオスUメイルを手にとって、焦げてしまった部分を手で払い落としていた。

「…」

 その日ずっとアレックは、自分の無力さに耐えられなく嘆いた。

 澄んだ空に浮かぶ満月が、今のアレックにとってはこの鬱な感情を和らげてくれる、ありがたい存在だった。