「とりあえずキャンプに戻りませんか? アシュリーさんも待っていることですし…」

 そういえば忘れていた。

「あ~、来てたんだ。あの子体弱いからね、風ひいてないといいんだけどね。無理しちゃうタイプだからさあの子は…」

 ということで、心配する対象が今度はライナスたちではなく、アシュリーの方へと向けられることになり、一行は急いで山を下りることにした。

 ・ ・ ・

「あら、皆さんお帰りなさい。どうでしたか?」

 どうにか無事らしかった。

 アシュリーはアレックたちが帰ってくるなり、にっこりと笑顔で歓迎してくれていて、ライナスを見るなりホッと一息ついて安心した様子だった。

「どうやら話を聞いたようですね。本当にごめんなさいね、私たち雇われた身でしてあなたたちにもし何かあったらどうしようと不安で不安で…」

 それが分かっていながら、どうしてギルドはこんな回りくどいやり方でアレックたちを試したのか不思議なものだ。

「とりあえずみんな無事だったってことで、今日は街に戻りましょ」