(コリュウ?)

「古龍っていうのは、大昔から存在していて姿かたちがまったく進化を遂げずに、今まで生きてきた数少ない飛竜たちのことを言うの」

 アンは口を開けたまま突っ立って、まったく理解不能ですと言いたげなアレックたちにそう説明を切り出す。

「さっき山頂で見たあの全身鋼の飛竜こそが、その古龍に分類されるモンスターよ」

「”あの子”が鋼龍の異名を持つ古龍『クシャルダオラ』よ。その名のとおり全身が金属質の鱗に覆われていて、風を操る能力を持っているの」

「そう、古龍種のモンスターは一般的な飛竜と決定的に違う点として、自然を操ることができるの。クシャルダオラが風を操るように、ここに来る前に私とノアが戦った古龍、オオナズチは光を操って姿をくらませることができるの」

「だから、昔から彼らは天災を呼ぶ災厄の元凶として忌み嫌われていた」

 と、アレックたちはその三人に一気に説明されてある程度は、納得しました的な表情をつくってその場を取り繕っていた。

(まあ、簡単に言うと、神がかりな力を持った飛竜ってことなんだろうな)

「もちろん強さも折り紙付きよ! くれぐれも生半可な状態で挑まないように、じゃないと”あの子”の本当の怖さを知ることになるわよ?」