レインはそんなことを言い終えると、なぜか落ち込んだ暗い表情になってしまい、アレックは少々戸惑った。



「まあ、最初のうちは仕方ないよ。
 今はできる範囲を頑張ってみればいいんじゃないか?」



はじめから何でもこなせる人間なんてこの世に存在しないだろう。

 たとえ存在したとしても、それは神かそれに類するものだろう。

「ご主人様、僕を忘れてもらっては困りますニャ。
 僕はご主人様の味方ニャ」

「うん、そうだね」

なんか説得力で猫に負けていることに心底反省している自分が嫌になる。



 そして、どうやらレインの機嫌も戻ったことだし、明るい話題に切り替えようとした。



 その時だ。

 脇道の茂みの中から突然何かが現れた。



「っ!!?」