在り来たりの質問をされて、アレックは少し考え込む。



(そういえば、どうしてだろう?)

 アレックは過去の記憶がまったくもって、未知数的なものになってしまっているために、自分の存在意義を失い欠けていた。

 そんな中で唯一平常心を保っていられたのも、ハンターと言う言葉を覚えていたおかげなのだ。



「ん~〝憧れ〟かな」

 とりあえず出てきた言葉がそれだったのでそう言ってみた。



「憧れか~、じゃあ僕と同じだね。
 僕も小さい頃、商人をやっているパパとママの姿を見てて、なんか自分もやってみたいなと思ったんだ。
 それで色々勉強したり、試しに調合材料を集めに行ったりなんかをしてるんだ。
 でもまだそれくらいしかできなくて……」