「そうだな、池の方で水を飲んでる可能性もあるが、こっちで休憩しているって事もある。こういう時は二手に分かれて、もし見つけたらペイントボールをぶつければいい」

 ノアの意見にアンは賛成し、アンとノアはペイントボールを出してお互い頷くと、アンは右側のトンネルみちへ、ノアは段差の先の池の辺へそれぞれ向かっていった。

 そしてアンは先にエリアを移動して、芸術とも言えるようなまさしく自然のトンネルを目前にしていた。

 どうやら泥棒猫のメラルーの姿は無いようで、アンは慎重にそのトンネルを進んで行った。

(何処にもいないみたいだけど、なんか嫌な視線を感じるわ)

 そして周囲に視線を張り巡らしながら、ゆっくりとトンネルの中を歩いていく。

(もう少し、あと少しでトンネルを抜けるわ!)

 抜け道を目前にして突然後方で何かの視線を感じ、アンは後ろを振り向くが、

(いないわね…)

 そしておかしいと思い、前を振り向いて再び歩き始めた。

「っう! いったぁ~」