その日の夜、アレックとルチナは二人して似たような夢を見たのだった。

どちらの夢にも強くなりたいと思う幼い自分がいる。

誰かを守るために、そのために強くなりたいと願う幼い自分が、父親に向かってそう訴えていた。

 ・ ・ ・

 どうにか黒尽くめの男たちに襲われる事も無く、アレックたちは無事に朝を迎えることが出来た。

どうやら外は雨のようで雫が窓に叩きつけられ、その騒々しくも気持ちの落ち着くような音にみんな目を覚ました。

「…おはよう、アレック…」

 レインが横で状態を起こし、目をこすりながら辺りを見渡してアレックが起きている事に気付くと、そう言ってまだ寝ているペイルを抱きかかえてリビングへとトコトコ歩いて行った。

 するとリビングからはシックルとルチナの声が聞こえてきて、アレックは部屋の入り口に目をやると、そこにはルチナが寝巻き姿で逆立った髪型のまま立っていた。

「おはよう」

「なんだアレック起きてたのか、せっかく驚かせてやろうと思ってたのに」

(驚かすって、何をするつもりだったんだ? こいつは…)