「わぁ!マリー!!」

夢芽が驚くと、マリーは「えへへ」と笑いながら強く夢芽を抱きしめる。

「恋愛のことなら私に任せてよ〜!フランと夢芽をラブラブなカップルにしてあげる!」

「カ、カップルってそんな……!」

夢芽がマリーに抱きしめられていると、「マリー!お客様に何してるの!?」と慌てた様子でフランシスがやってきた。マリーはにこにこしながら、「私と夢芽は友達だよ?」と言いながら夢芽を離す。

「友達でも今は仕事中だよ」

フランシスはマリーにそう言った後、夢芽の方を向いて「Ce que je crois imports peu(申し訳ありませんでした)」と謝る。

「いえ、気にしていませんよ」

夢芽は、フランシスにドキドキしながら言った。フランシスとこうして関われることが嬉しい。カフェの店員と客。それ以上の関係になりたいと夢芽は思っているが、フランシスは人気者だ。すぐに奪われてしまうだろう。

夢芽は半分諦めつつも、フランシスのことを想っていた。