次に二人が向かったのは、エッフェル塔と同じほど定番の観光地である凱旋門。

「ナポレオンが建設を命じたんですよ。強さの象徴なんだとか」

「別名は「勝利の橋」でしたよね」

仲良くそんなことを話しながら歩き、パリで一番面積の広いコンコルド広場も二人は観光した。

そして、パリ市内ではないけれど郊外にも足を運ぶことになった。

「うわぁ……!」

夢芽はあまりの豪華さにため息をつく。目の前に広がるのは、豪華絢爛という言葉がふさわしい建物。ヴェルサイユ宮殿だ。

「庭もとてもきれい!」

はしゃぐ夢芽を見て、フランシスは「そんなにはしゃぐと転びますよ?」と言う。しかし、はしゃいでいる夢芽はあまり深く考えていなかった。

「え?大丈夫ですよ〜」

しかし、何かにつまずき夢芽は転びそうになる。それをフランシスが素早く支えた。

「大丈夫ですか?」

二人は今、抱きしめ合っているといってもいい。夢芽はとても恥ずかしくなる。フランシスの顔を見れない。