暗鬱な君に花束を




全くわからないので首を横に振ると、雨月くんはまた呆れたようにため息をついた。


「危機感なさすぎ。お前は今、キスされそうになってたんだからな」


「え…!?」


キスって、恋人同士がするアレだよね…!?天ぷらにいたら美味しい魚のことじゃないよね…!?


「…マジで鈍っ」


「付き合ってないのに、そういうことすることあるの…?」


「はあ?本気で言ってんの?」


いや、聞いてるの私なんだけど。と、思いながらも頷く。


雨月くんはまた呆れたような顔をしたが、ため息はつかなかった。代わりに舌打ちされた。なぜ。


「世間知らず」


「なんで雨月くんに暴言吐かれなきゃいけないの…!?」


「あほ、バカ、間抜け、考えなし」


「雨月くん…!?」


そろそろ質問に答えてくれないかなあ…!?