暗鬱な君に花束を




……え?雨月くん、今なんて?


私がうっかり雨月くんのこと好きになっちゃったらどうするのか、に対しての“別にいいけど”なんだよね?


…私なんかに好かれても迷惑じゃない、ってことだよね?


そう思うと、頬が緩む。


「…美羽が赤くなってる」


「え?ほんと?」


赤くもなってたんだ。心のどこかで照れくささも持っていたからかもしれない。


「…なんか、嬉しくて」


「…嬉しいんだ?雨月のこと、好きになる予定でもあるの?」


なぜかイライラしたような口調の眺。


…なにかしてしまったのだろうか、と心配になる。


「…好き、といえば好きだよ?雨月くんのこと。でも、眺も礼奈ちゃんも好きだよ?」


「…そうじゃなくて、」


そこでいったん切って、眺は私の顎を少し乱暴に掴んだ。


必然的に、私は眺の方を向く形になる。