暗鬱な君に花束を




私と雨月くんの話の内容を知りたそうにソワソワしてる二人を少しあしらって、リュックの中から酔い止めを取り出した。


「はい、雨月くん」


「ん、サンキュ」


雨月くんは受け取った薬を素早く飲んだ。


…そんなに気づかれたくなかったんだ、と変なところで感心した。


「…そうだ眺、お菓子、どんなのがいい?」


「んー、せんべいとかある?」


「あ……おかきならあるよ」


…それにしても、チョイス渋いね。好きなのかな。


「じゃあほしい。美羽、グミいる?」


「食べたい…!」


実は私はグミが大好き。一日中食べてても平気なくらいだ。


今日も持ってきたけど、眺がくれたのは、私が持ってきたグミとは違うグミだった。しかも、おいしいと評判の。