暗鬱な君に花束を







……そして。待ちに待った遠足の日がやってきた。


ちなみに行き先は自然公園。あのとき風邪でお休みだった山田くんも、翌日にはすぐに全快して会議に行っていた。


公園まではバスで行くらしいけど、席は特に決めていないため自由だ。


もちろん私は礼奈ちゃんの隣に座る、


……予定だったんだけど。


「美羽ー、お菓子とかなにか持ってきた?」


「えっ…う、うん!あるよ…!ちょっと待ってね」


どういうわけか、眺が隣に座ってきた。


しぶしぶ礼奈ちゃんは私たちの後ろに雨月くんと座ったけど、見えてないのに視線が刺さってくるくらいは見られてる。


「れ…礼奈ちゃん?」


「椎名……邪魔だ…」


「…俺、呪われそうなんだけど」


「呪う」


「おい」


マジトーンで言うなよ、と眺が笑っている。いつもと変わらない光景でなんだか安心した。


「なぁ美羽、」


後ろから、雨月くんに声をかけられる。